慢性腎臓病は、腎臓のなかで血液をろ過し、尿をつくる部分(ネフロン※)が徐々に壊れていく病気です。
正常な猫の腎臓では、1つ当たり約20万個のネフロンが働いています。
ところが、一部のネフロンが壊れてしまうと、ほかのネフロンがその分も無理して働こうとします。
残されたネフロンに負担がかかりすぎ、さらに壊れるネフロンが増えます。
こうして慢性腎臓病では、腎臓の機能が低下していってしまいます。
腎臓は血液中の老廃物をおしっこに出せなくなりますが、それでも汚れを出そうと無理をして、水のような色の薄いおしっこをたくさん出すようになります。
体のなかに汚れがたくさんたまって、猫は弱ってしまいます。
また、色の薄いおしっこをたくさん出すことで脱水状態になり、うんちは硬くなることが多くなります。
貧血を起こしたり、
骨がもろくなり骨折しやすく
なることもあります。
猫の糖尿病は、通常はインスリンに対する反応の悪さ(インスリン抵抗性)や、インスリン産生細胞の機能不全(インスリン欠乏)が原因となって起こります。
糖尿病になると、エネルギー源として糖(グルコース)を必要とする組織や細胞に糖が供給されず、体が糖をエネルギーとして十分に利用できなくなります。
糖尿病の診断は「臨床症状」だけではなく、「血液検査」「尿検査」を行い総合的に判断します。
猫の血糖値の基準値は74-150mg/dl(検査機関によって異なります)です。この値以上を高血糖といいます。しかし、猫はストレスで高血糖になることがありますので、持続的に高血糖であることや臨床症状、尿検査、その他の血液検査を組み合わせ総合的に判断することになります。
血液中の糖とタンパク質が結合してできるフルクトサミンや糖化アルブミンなどを測定して血糖値を測定します。フルクトサミンや糖化アルブミンは過去2週間の平均的な血糖値を反映します。そのため、ストレスや食事の影響を受けにくく糖尿病の診断に役立ちます。また長期的な血糖コントロールの評価に適しています。
尿検査で尿糖の有無や程度が確認できます。持続的な高血糖に加えて尿糖が出ている場合は糖尿病を強く疑います。
猫の糖尿病の治療方法は「食餌療法」「インスリン療法」が中心となります。
食事療法では、血糖値をコントロールするためにまず「1日に必要なカロリー」の算出を行います。健康時の体重や現在の体重・体格などを基に目標体重を設定し治療に取り組みます。
糖尿病に対応できる高タンパク質、低炭水化物の療法食を使用するのが理想的です。食後の血糖値の急上昇を防ぐ特徴があり、摂取カロリーが安定します。
食餌の内容と摂取カロリー(摂取量)を安定させることは、適切な量のインスリンをうつためにも重要です。
インスリンを投与する目的は、膵臓から分泌されにくくなったインスリンを注射で補うことです。猫の糖尿病は多くの場合、インスリンを用いた治療でコントロールできます。血糖値をコントロールすることで糖尿病の症状を改善することができます。猫によっては、体内でインスリンを作れるまでに回復し、その後インスリン投与が不要になるケースもありますが、多くの場合、生涯インスリン投与が必要となります。
どのくらいの量のインスリンをうつかは猫によって異なります。